公園で行き倒れていた金髪碧眼が、実は…。
『ショータ、君を愛してる』表紙
『ショータ、君を愛してる』
にたこ/著、竹書房/発行
☆☆☆読んでみました☆☆☆
エロい表紙です。盛り上がった筋肉に金髪、碧眼!そんなイケメンが頬をほんのり染めた男の子と濃厚なチューをしている表紙。こんな素敵な表紙の本を購入しないわけにはいきません。とりあえず、中身も見ずに購入。
☆☆☆どんな話なのかしら?☆☆☆
『ショータ、君を愛してる』より引用。
田舎から出てきた大学生のショータは、なかなか都会に馴染めずに寂しい思いをしていました。そんな時に、公園でお腹を空かせて倒れこんできた外人がジョシュアです。このジョシュアが、ぼさぼさの髪をしてシンプルなTシャツとGパンという軽装ですが、実は金髪碧眼のイケメンです。
お腹を空かせたジョシュアに牛丼をおごってあげるショータです。奢ってもらった牛丼を美味しそうな食べる、その満面の笑顔にショータは見惚れてしまいます。
その後、ひょんなことから二人で映画を見に行って、映画の後は、ショータの家に帰りますが、ジョシュアは、まだ何も知らないショータにおいたをしてしまいます。ああ、こんなに気持ちいいなんて…とそのまま気を失ってしまったショータが次の日に目覚めると、そこにはジョシュアはいませんでした。
昨日のことは何だったのだろうか?と考え、さよならも言わずにいなくなったジョシュアのことを考えると寂しくなります。そんなことを考えながら大学の帰り道、スーツをピシッと着こなし、髪も整えたジョシュアがショータの前に現れます。
その姿は、昨日見た映画の中に出てきた俳優です。え~、ジョシュアは、俳優だったのか!!となるのですが、ジョシュアはショータのことが忘れられずに、ショータの元へ戻ってきたのでした。
世界的な有名な外国の俳優が、普通の大学生に恋をするというのは、ちょっと無理があるような気もしますが、絵がなかなか素敵なので許しましょうという感じですね。
表題の『ショータ、君を愛している』の他に2つのお話が入っています。
3つ目が短編ですが、イケメンでやり手で大人の上司が、オタクで年下で、眼鏡君に抱かれてメロメロになっているのが、私的には萌えポイント大ですね。
綺麗な絵で、もりもり筋肉なイケメンで、Hシーンも沢山あるので、大満足な1冊ですね。
☆☆☆エロ度はどうかしら?☆☆☆
『ショータ、君を愛してる』より引用。
いやぁー、エロいですよ。キスも場面も多いですし、挿入の準備で、ほぐすところとか、わりとそのものズバリ(ぼかしは入っていますが)の行為が描いてあり、なかな満足感のあるHですね。
そして、3つ目の短編。バリタチだった上司が、一目ぼれした部下のために自分のおしりを差し出してしまうというお話。スーツをすらりと着こなした大人の男性が、頬を染めながら、可愛い男の子に攻められのは、グッときますね。
☆☆☆読んでみた感想は?☆☆☆
絵も綺麗で、イケメンが沢山でてきて、Hもものすごく濃くて、なかなか楽しめた1冊でした。多少、設定的に無理がある気がしないでもないですが、その分、その体で帳消しになりそうな肉体です。色っぽい表情がお好きな方には、ぜひ読んで頂きたい作品です。
流されて男に抱かれちゃったノンケリーマンが、めちゃくちゃエロい!
『これもお仕事です』表紙
『これもお仕事です』
練馬zim/著、竹書房/出版
☆☆☆読んでみました☆☆☆
表紙のちょっとくたびれたおじさんが、色っぽい目でこちらを見ている表紙にそそられまして、購入しました。買って後悔なし。というくらい、色っぽいリーマンが満載でございました。さて、どんな話でしょうか。読んでみました。
☆☆☆どんなお話でしょうか?☆☆☆
『これもお仕事です』より引用
サラリーマンの月島は、優秀な営業マンです。少しきつい納期でも、請け負ってしまうので、仕事を任せてもらえるということもあります。その仕事を支えているのが、裏方の制作部の哲平です。哲平は月島のことが好きなので、惚れた弱みから、月島の持ってくる納期のきつい仕事でも引き受けてしまうのです。
そんな状態に限界を感じた哲平は、とうとう月島に告白をします。「俺はあんたのことが好きなんです」と。
ノンケの月島は、いきなりそんなことを言われても、はい、そうですか。と受け入れることはできません。
哲平はそれならばと、一旦引き受けた月島の仕事を断りますが、それでも最終的には徹夜までして月島の仕事を仕上げるのです。これも惚れた弱みです。頑張って仕事を終えた誰もいない夜中のオフィスで、月島は男を見せます。
そう、月島は哲平の思いに報いるために、哲平に身体を捧げます。男前ですね。
ぼつぼつと髭の生えたおじさんなのに、Hの時はもう、めちゃくちゃエロいのです。哲平は惚れるのも無理ないと思ってしまいます。
その後も、流されるように哲平に抱かれる月島です。いえ、流されて抱かれたように見えますが、実は月島は、それなりに覚悟を決めて、哲平であればという強い気持ちで抱かれたのです。
月島としては、そろそろ本気で付き合おうと哲平に言うのですが、哲平は今のままでセフレのままでいいと言うのです。
哲平は実は、嫉妬深いし執着しているし、かなり面倒くさい奴なので、月島と本気で付き合ってしまえば離れられなくなり、月島に捨てられたら生きていけないから、今のままでいいと言うのです。
これって、ものすごい熱烈な告白だと思いませんか。こんな熱い愛の告白をされたら、あなたならどうしますか?引いてしまいますか?それとも…。
月島は後者でした。哲平のことを嫌がるのではなく、哲平が後ろ向きな態度をとっているのを何とかして自分に向き合うように努力するのです。月島っていい男ですよね。
結局、哲平も月島のことを信じることにします。その時に哲平が月島をドロドロに甘やかして自分がいなくてはなにもできないくらいにしてあげる、と言うのですが、これもなかなか熱い想いです。哲平はどちらかというとクールな見た目なのすが、心のうちには、そんな熱い気持ちをもっているなど、胸キュンです。
☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆
『これもお仕事です』より引用
Hシーン、盛りだくさんです。とにかくエロい。月島がトロトロにと蕩けさせられている顔など、めちゃくちゃエロいのです。ノンケのおじさんがこんな顔しちゃダメでしょうというくらいヤバイ!
紅潮した顔に、とろんとした瞳に涙を浮かべて、口をポカリと開いているところなど、哲平でなくとも、ドキドキしてしまいます。また表現もすごくて、そんなところ舐めてしまうんですか?というところや、それをそこでやってしまうんですか?というようなヤバイ!ことも沢山あります。
あんなエロも、こんなエロもあります。
☆☆☆読んでみた感想は?☆☆☆
面白い話でした。絵も綺麗で、哲平はクールな見た目と違い熱い男ですし、月島もスーツがカッコいいです。そしてHもめちゃくちゃエロくて、眼福でした。話も面白かったし、なかなか満足感のある作品でした。
話もHも両方、満足したい方にお勧めです。
そうきますか。そっちだとは…ちょっとビックリだけど…いいよね。
『3番線のカンパネラ』表紙
『3番線のカンパネラ』
☆☆☆読んでみました☆☆☆
京山あつきさん、好きなんです。個性的な絵で、好き嫌いの分かれる作家さんだと思います。以前読んだ作品で、イケメンどころか、フツメンでもない男の子が主人公だったりしましたが、すごくいい話で大好きな作品があります。という訳で、『3番線のカンパネラ』も京山あつきさんの作品ということで、内容も確認せずに購入してしまいました。さて、どんな話でしょうか?
☆☆☆どんなお話なのかしら?☆☆☆
『3番線のカンパネラ』より引用
ゲイの加納は、恋人と別れてから1年以上経つにもかかわらず、一人の時などに、ふっと寂しくなってぼんやりとしてしまうことがあります。その朝も、仕事に行きたくないなぁ~と思いつつホームを歩いていたら、高校生に腰に抱き疲れて「ダメです!」と止められます。
高校生は、加納が自殺するのではないかと思って、つい止めに入ってしまったということです。加納は自殺する気など全然なかったのですが、他の人にはそう見えたのかと、1年以上も前に別れたことに、まだこだわっている自分が嫌になります。
前の恋人と付き合っている時、上手くいっていたと思っていたのは加納だけで、いつの間にか恋人の気持ちは離れていました。そしていきなりの別れがやってきたんでした。その別れが今も辛くて、加納の傷ついた胸はふさがらずに、ぐちゅぐちゅしています。
そんな気持ちが知らず知らずに外に現れていて、高校生は加納が自殺すると勘違いしたのかもしれません。
それからは時々、駅で見かける高校生に姿に癒される加納です。夏服の白いシャツもいいな、などと考えながら仕事場へ向かう加納ですが、仕事場では店長に細かいことを注意されたりします。
店長は、加納のシャツのボタンが外れていることを、いつも注意する神経質で嫌な奴なのかと思いきや、実はいろいろなところに気を遣う、できた店長さんでした。そして何気ない店長の一言に加納はヨロめきそうになりすが、簡単にヨロめく自分を反省します。
そんな時、加納の店にLGBTの子がバイトとして入ってきます。別に加納はゲイだとは言ってはいないのですが、そのバイトの子の話とかをするようになって、いつの間にかよく話すようになって、そのうち夕飯を一緒に食べて帰るようになります。
店長はバツイチで、家に帰っても誰もいないので、深い意味もなく加納を誘います。加納も思いのほか、店長と一緒にいるのが居心地が良くて、期待してはいけないと考える自分がいます。そして頭の中でぐちゃぐちゃと考えてしまいます。
まぁ、その後、びっくりする展開がやってくるわけで、加納は高校生に癒されて、店長のことで嫉妬して、そして…ですね。そっちでしたか…。
やられた~、という感じです。
だって、表紙に後ろ姿ですよ~。最初の方は、男子高校生との話が続くのですよ~。店長が最初に出てきたシーンなんて、目がテンでしか描かれていなくて、モブ扱いだったのですよ~。それなのにノンケの店長にいっちゃいますか。
色々な葛藤の中、何度も一緒に食事に行くうちに、二人の気持ちはだんだん近づいていきます。店長、イケメンだし、高校生よりはいいと思いまうが…。
なんといっても、二人が最初にキスをするシーンがものすごく素敵なのです。
今までしゃべっていたのに、音がなくなって、ほんの少しだけ傾いて、外れたボタンから、すっと手を入れて首筋をさわって、静かにキスをする。
その動作一つ一つが良くて、じんとしてしまうのです。
BL作品で、嫌というほどキスシーンは見ているが、このキスシーンは10本の指にはいると思います。上手く説明できないので、もうこの本読んで下さい。お願いします。
☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆
『3番線のカンパネラ』より引用
キスの後、そのままHになだれ込みます。ベッドの上で、焦りながらワイシャツを脱ぐところとか、二人でキスして抱き合ってとか、いう感じですが、もうそのワンシーン、ワンシーンがエロいのです。
その他に、紆余曲折あって仲直りした後のHですが、一緒にシャワーを浴びたりしてなかなかエロいのです。ベロチューもいい感じです。でも、このあたりのシーンを読んでいると、涙が出てきてしまうのです。幸せそうな二人に、エロを通り越して感動してしまって、何度読んでも涙がでてきてしまいます。
エロいけど、エロは期待しないでね。エロを飛び越えてしまっています。
☆☆☆読んでみた感想は?☆☆☆
最近のBLファンの方だと、京山あつきさんを知らない人も多いかもしれませんね。絵が個性的だし、今風のエロありきのBLとは一線を画しているので、好き嫌いの分かれる作家さんだと思います。京山あつきさん、地味だけど、いい作品を描いているのです。
『3番線のカンパネラ」も期待通りの作品でした。絵を言葉で表すのはとても難しいので、実際に読んで頂きたい作品です。
始まりは出会い系。そこから育っていく愛もあるのです。
『ジェラテリア スーパーノヴァ』『ジェラテリア スーパーノヴァ royal vanilla』
キタハラリイ/著、竹書房/出版
☆☆☆読んでみました☆☆☆
『ジェラテリア スーパーノヴァ』が出会いから付き合うまでを描いていて、『~royal vanilla』が、その後を描いたものです。
題名が同じだったので同じ内容かと思って、本屋さんで何度も確認してしまいましたが、内容は違う本でした。(当たり前か!)
ということで、さっそく読んでみました。
☆☆☆どんな話なのかしら?☆☆☆
大学生の里谷は、出会い系で出会ったサラリーマンのセフレがいます。適当に選んだ相手で、一回限りと思っていたのに、気が付けば半年続いています。
週末、里谷の部屋で抱き合って、夜を一緒に過ごすことなくセフレの政田は帰って、決して泊まることはありません。
里谷は、そんな政田にだんだん物足りなさを感じてきます。朝まで一緒に過ごしたい。本当の名前は何?。普段はどんな仕事をしているの?とか、政田のことが知りたくて仕方がなくなってきました。
里谷は、中学時代に自分の性癖になんとなく気が付くも、特に誰を好きになるというこもなく、大学時代に出会い系で知り合った、やはりサラリーマンで初体験を済ませました。今は顔を思い出せないほどです。
恋もしたこともない自分が、本当の名前も知らない出会い系で出会ったヤルだけの男に本当に惹かれているのか?好きなのか?
だけど、相手は自分のことをただのセフレだとしか思っていないはず、と悩んで、どうしていいかわかりません。苦しくて辛くて、もうこのへんで二人の関係を終わりにした方がいいのではないかと考えつつも、自分では終わらせることができません。
いつもは朝まで過ごすこともないのに、その朝、里谷が目覚めるとベットの隣に政田が寝ています。それがうれしくかったのに、その朝を境に政田とはぷっつりと連絡が途絶えます。結局、二人を繋いでいた関係を断ち切ったのは、里谷ではなく政田だったのです。
いつの間にか芽生えていた政田への恋心。それを伝えることなく政田はいなくなり、里谷は失恋という痛手を抱えながらも、就活などの毎日の忙しさに日々を送っています。
そういえば、政田と出会ったのが去年の春の終わりで、気が付けば桜の季節で、見上げれば桜の花が満開です。政田といつも待ち合わせしていたのが、里谷の部屋の近くのジェラート屋「スーパーノヴァ」でした。店の前のベンチに座って一人でジェラートを食べています。ひらひらと桜の花びらが散ってとてもきれいですが、里谷の心はまだ傷ついたままです。
そこへ現れるのが、政田です。ここにいれば里谷に会えると思って待っていた、と言います。それを聞いて里谷は「先に切ったのは自分のくせして」と怒りを露わにします。一旦離れて冷静になって考えてみて、やっぱり里谷に会いたかったから、またここから始めたいと政田は言います。
でも、これって大人の言い訳に過ぎません。里谷は再び現れた政田が、出会い系ではなく新しく始めよう、という言葉に騙されてしまいますが、なんかね、読んでいる私はちょっともやもやだな。
自分のことばかり考えて、里谷のことなど考えずに、里谷の前から姿を消した政田。里谷が苦しんだり辛い思いをしているとは考えられなかったのかしら?と思ってしまいます。大人はね、いかようにも自分の心をごまかして生きていくこともできますが、大学生とかのひよっこが、失恋によってどれほど傷つくか考えられないかな、と大人の私は考えてしまうのですが。
政田がね、社会人で大人だけど、実に子供っぽい気がします。でもね、惚れた弱みでね、里谷はそんな政田を許して、最初から二人の恋のやり直しをするのです。
『~royal vanilla』は、二人のその後を描いています。最初の巻が、主に里谷側に立って描かれていましたが、こちらは政田側に立って描かれている作品です。
最初からいかに里谷のことが好きだったとか、今でもぞっこんであることなどが描かれていますが、しかしまたもや大人げない嫉妬から里谷に酷い態度をとってしまいます。政田は、イケメンでクールな大人という感じですが、実はダメダメな大人ですね。ここは里谷が大人になって、政田をリードしていくしかありません。
二人の末永い幸せを祈っています。
☆☆☆エロ度はどうかしら?☆☆☆
エロいですよ~。読んでいる時は、Hシーンが多いと思っていたのですが、パラパラとめくって見てみると、そんなに多い訳じゃないのです。ただ濃厚なシーンが多いので、Hシーン自体が多いと錯覚してしまいましたが、実は濃厚だっただけでした。
BLには、Hが肝心!という方も大満足だと思います。
☆☆☆読んでみた感想は?☆☆☆
キタハラリイさんは、初めて読む作家さんです。今風な画風で、今風な話ですね。
絵が時々、雑になっている部分があり、それがちょっと気になりますが、それ以外はいいと思います。2冊目が、その後の二人ということで、少し大人っぽくなった二人で、髪の毛が少し短い政田もいい感じです。
2冊目が出て、二人が幸せになったところも見られて、読後に満足感がありますね。それにしても、上手くいってよかったなぁ~としみじみ思いました。
クールな男のお願い!可愛いって言って、もっとギュッと抱きしめて!
『かわいがるならシてもいい』表紙
『かわいがるならシてもいい』
北野仁/著、英和出版社/発行
☆☆☆読んでみました☆☆☆
北野仁さんの作品ということで購入しました。
北野仁さんの作品は、以前にも何冊か読んだことがあって、ストーリーとかは楽しめるのですが、荒っぽい絵が、今いちでした。
久しぶりに『かわいがるならシてもいい』を読んでみて、絵がずいぶんと上手になって、画風のかなりか変わっていてびっくりしました。
たぶん、作者の名前を見なければ、北野仁さんが描いているとは気がつかないくらいです。お色気が加わった画風に期待を膨らませながら、さっそく読んでみました。
☆☆☆どんな話なのかしら?☆☆☆
『かわいがるならシてもいい』P43
勤めている弁護士事務所では、クールで愛想がないと言われている姫島ですが、実は可愛いものが大好きで、自分のことも可愛いと言ってほしい、と思っている心は乙女な青年です。
そんな姫島の本当の姿を知っているのは、姫島の高校時代の後輩の竜二だけです。竜二は、姫島がヤンキーだった頃に一緒につるんでいた仲間で、その頃から二人の仲は続いています。
子供の頃から可愛かった姫島は「可愛い、可愛い」と周囲から言われて育ってきましたが、男の子は成長するにしたがって「可愛い」と言われなくなることにある時気づきます。可愛いと言ってもらいたいのに、もう言ってはもらえない辛さを抱えて生きています。そのうえ、同級生の圭吾のことが好きになってしまいます。圭吾は竜二ともつるんでいるヤンキー仲間です。自分の気持ちを抑え込んで生きている姫島。そんな姫島を見ているうちに姫島のことが好きになってしまう竜二。
姫島が切ない恋に苦しんでいるのをわかっている竜二は、振り向いてくれたら何でもしてあげるのにと姫島の後ろ姿を見ながら思っていたのです。そんな時に、一言漏らした言葉によって、姫島は竜二のことを受け入れて、その後も二人の関係が続いていきます。
そんな関係が十年近くも続いていながら、まだ圭吾のことが好きな姫島。姫島が好きなのは圭吾であり、自分ではないと知りながら抱き続ける竜二。そんな時、圭吾の結婚が決まったのです。そのうえ、竜二が狙われる事件なども起きて、今まで二人の間になかった風が吹いてきます。その風が二人の関係をどのように変えていくのか・・・。
☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆
『かわいがるならシてもいい』P166
かなりエロいです~。北野仁さん、ずいぶん画風が変わりましたよね。以前はこんなにやらしくなかった。受けの姫野が頬を染めたところとか、抱かれている時のふにゃふにゃの顔とか。
以前の北野仁さんの絵って、もっと鋭角というか男らしいというか、あまり色気を感じる絵ではなかったのですね。それが『かわいがるならシしていいよ』では、姫島の色気もさることながら、攻めの竜二もクールで強面ではあるけれど、違う意味で色気があります。Hシーンもかなり濃厚です。
意味もなくHシーンがあるだけではなく、必要な場面で入ってくるので、ストーリーと話のバランスがいいのです。
☆☆☆読んでみた感想は☆☆☆
Hシーンばかりで話のない作品も多い中、この作品はHシーンもそれなりにあり、話もそれなりの面白かったしで、満足感のある本でした。
竜二は、その職業のせいか身体に絵が入っていますが、それもなんとも色っぽいんですよね~。私的には、竜二がタイプです。
絵もストーリーもHもバランスがいい本なので、満足すること間違いなしです。
北野仁さんを知らない方も知っている方も、ぜひ読んで頂きたい本ですね。
一緒に住んでいるだけで良かったのに…その先も欲しくなるよね。
『彼のいる生活』表紙
『彼のいる生活 』
宮田トヲル/著、リブレ出版/発行
☆☆☆読んでみました☆☆☆
可愛い表紙に惹かれて購入しました。表紙の二人の笑顔がとても素敵ですね。
中身も二人の笑顔が満載でした。清潔感溢れる画風で、なかなか読み応えのある作品でした。
☆☆☆どんな話なのかしら?☆☆☆
『彼のいる生活』より引用
夏川涼と田中一仁は幼馴染で、この春から同じ大学に通うことになってます。お互いが一人暮らしをするつもりだったのですが、両方の母親の陰謀で、家賃も安くなるし、二人の方が安心だからという理由で、本人の知らないうちに、二人で一緒にルームシェアをすることになってしまいました。
二人は幼馴染といっても、中学はずっと別のクラスだし高校は別々だったこともあって、ここ最近はあまり親しくしていませんでした。二人で暮らすことに、涼はなんとなく気恥ずかしい気もありましたが、一仁が笑顔いっぱいで接してくるので、涼も最初のわだかまりも消えていきます。
一仁は元高校球児で、爽やかでイケメンです。モテモテに違いないと思っていた涼は、実は一仁は彼女と長続きしないと聞き、デートの練習台になったりします。そうやってだんだん距離が近くなっていくうちに、ふともらす一仁の言葉の端々にもしかしたら一仁の好きな奴って、俺じゃないかと思うようになります。
涼は自分の思い違いであり、一仁が自分を好きなはずはなと思いますが、ある時、一仁に涼が好きだが、答えは急いでいない、と告白されます。その後もいつも通りの一仁で、涼だけがどうしていいのかわからずに、ドキドキしてしまいます。
一仁は涼の前では、いつも笑顔なのです。そして、涼を好きだという気持ちがぶれない。多分、男が男を好きということで沢山悩んだと思うのですが、それをふっきって何もかも捨てても涼が好きという一途な思いが溢れています。
涼は、今まで考えたこともなかったことですが、それでも一仁の気持ちに応えようとすると、それで本当に一仁が幸せになれるのか、悩んでしまいます。そんな悩んでいる涼を見て、自分の気持ちを押し付けたことを後悔する一仁です。
そんな時、一仁が急用で一週間、部屋を留守にすることになりました。一人になった涼は寂しくて寂しくて仕方がありません。やっぱり自分も一仁のことが好きなのではないかと思うも、ぐるぐると悩んで、どうしていいかわかりません。
涼は、どうしていいのかわからずに、一仁の友人に相談するのです。すると、ふわりとした今風の大学生のくせして、涼にいいアドバイスをするのですよ。これが~。
そのアドバイスで、涼はいろいろなことが吹っ切れて、一仁と真剣に向き合うことにするのですが…。
☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆
『彼のいる生活』より引用
エロ度は低いです。健康的というか健全です。Hの時の二人の表情が初々しくて、読んでまぶしいくらいです。ああ、でも、攻めの一仁が涼にべたぼれで「あまあま」なので、そのうちに濃厚なHをするんだな、という予想はあります。今度は、そんな二人の濃厚なHを見てみたいものです。
☆☆☆読んでみた感想は?☆☆☆
全体的に爽やか感が漂いっぱなしです。悩むのだけど、その悩みがへんな方向に向かっていないのです。一仁が合コンで、好きな人がいるからと言うと、その人にやきもちを焼かせるために他の子と遊びなよーと気楽に言われます。すると、一仁は好きな人を困らせたり、わざとやきもちを焼かせたりしたくないと、爽やかに笑うのです。
いや~、このシーンを読んだ時、負けたと思いました。(何に負けたのか自分でもわかりませんが)
ぐずぐず悩んで、ドロドロになってしまうBLが多い中、貴重な作品だと思います。自分の心が薄汚れてきたな、と思った時などにいいようです。
ゲイのカップルでもいいじゃない。立派に子供を育ててみせるよ!
『ひらひら満ちる』
りーるー/著、新書館/出版
☆☆☆読んでみました☆☆☆
りーるーさんは、私の印象だと同人誌で活躍していた作家さんだと思っていたのですが最近は、同人誌の頃のコミック化や商業誌で活躍されていますね。
りーるーさんは、エロい作品が多くて、そのエロが私の萌えポイントと合致するので、以前から機会があれば、読んでいる作家さんです。
『ひらひら満ちる』の表紙には、なんとベビーちゃんが描いてあって、ほんわかとしていて、思わず手にとってしまったのです。
ベビーちゃんの出てくる話は大好きなので、わくわくしながらページを捲ってみました。
☆☆☆どんな話なのかしら?☆☆☆
学校の先生の岩田と作業員の芳彦は、男二人で子供を育てています。どちらかの子供ではありません。岩田の妹と芳彦の兄が事故で亡くなって、一人残ったのがまだ小さな天(そら)でした。
お互いに他に身寄りもいません。男が一人で子供を育てていくのは大変です。そこで二人で助け合いながら、天を育てていくことにしたのです。
芳彦はゲイで、岩田と一緒に暮らしていくうちに、岩田に惹かれていきます。ノンケである岩田を好きになっても報われないと思っていたのに、岩田は芳彦のことを受け入れるのです。
真面目で髪の毛をぴっちりと分けているメガネの岩田と、髪の毛を染めて力仕事をしている芳彦とは、まったく正反対であるけれど、お互いをいたわりあって助け合って、とてもやさしい気持ちになります。
ただ、そんな穏やかな二人の生活に、暗い影が差します。芳彦の兄が生前に借金をしていたのです。その借金が芳彦の肩にかかってきます。兄が生きている時にも、兄の借金を返していたのです。その時に、ずいぶん酷い仕事もしていました。
兄の借金のことを岩田に知られたくない芳彦は、昼間の仕事に加えて、夜の仕事もするようになります。すれ違う二人。生活面もですが、気持ちもだんだんと遠く離れていきます。
岩田は、そんなすれ違いの生活にどうしていいかわらかずに、芳彦の気持ちが自分から離れていってしまったのかと、一人ただもんもんと悩みます。
でも、天や周りの皆のおかげで、悩んでいるだけではだめで自分の気持ちをきちんと伝えなければといけないと思うのです。
このあたりのくだりが、涙がじんわりとにじんできてしまいます。
芳彦の兄の借金の相手に力強く立ち向かいます。そして、芳彦のことを優しく抱きしめます。あああああ、もう表情が、いいのです。優しそうで、愛おしいしそうで。
家族の愛に恵まれなかった二人が、新しい愛を育てて、幸せになってもらいたい、そう思わずにはいられない本です。
ぜひ、読んで頂きたい本です。
☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆
りーるーさんの作品は、エロい作品が多いのですが、『ひらひら満ちる』も例外ではありません。めちゃくちゃエロいです。
もともと画風自体がエロいと思うのですが、身体の肉付きの形とか表情とか、ただ立っているだけで色気を感じる絵だと思っています。
そして、二人のHシーンもかなり多くて、それもエロ~い!!
Hの様子もそうですが、擬音や表情もいいのです。
☆☆☆読んでみた感想は?☆☆☆
りーるーさんは、もともとあまり知られた作家さんではないと思うのですが、最近は作品が結構出版されているようです。
以前は、少年と大人というようなカップルの作品などもありましたが、最近では大人の男同士の話が多いですね。
りーるーさんの作品を読んだことのない人は、ぜひとも読んで頂きたい作品です。