BLという夢と妄想の世界へようこそ~読んだ本の話(ネタバレあり)~

BLをこよなく愛する腐女おばさんのブログです。

ゲイのカップルでもいいじゃない。立派に子供を育ててみせるよ!

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『ひらひら満ちる』表紙

『ひらひら満ちる』

りーるー/著、新書館/出版

☆☆☆読んでみました☆☆☆

 りーるーさんは、私の印象だと同人誌で活躍していた作家さんだと思っていたのですが最近は、同人誌の頃のコミック化や商業誌で活躍されていますね。

りーるーさんは、エロい作品が多くて、そのエロが私の萌えポイントと合致するので、以前から機会があれば、読んでいる作家さんです。

『ひらひら満ちる』の表紙には、なんとベビーちゃんが描いてあって、ほんわかとしていて、思わず手にとってしまったのです。

ベビーちゃんの出てくる話は大好きなので、わくわくしながらページを捲ってみました。

☆☆☆どんな話なのかしら?☆☆☆

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『ひらひら満ちる』P139より

 学校の先生の岩田と作業員の芳彦は、男二人で子供を育てています。どちらかの子供ではありません。岩田の妹と芳彦の兄が事故で亡くなって、一人残ったのがまだ小さな天(そら)でした。

お互いに他に身寄りもいません。男が一人で子供を育てていくのは大変です。そこで二人で助け合いながら、天を育てていくことにしたのです。

芳彦はゲイで、岩田と一緒に暮らしていくうちに、岩田に惹かれていきます。ノンケである岩田を好きになっても報われないと思っていたのに、岩田は芳彦のことを受け入れるのです。

真面目で髪の毛をぴっちりと分けているメガネの岩田と、髪の毛を染めて力仕事をしている芳彦とは、まったく正反対であるけれど、お互いをいたわりあって助け合って、とてもやさしい気持ちになります。

ただ、そんな穏やかな二人の生活に、暗い影が差します。芳彦の兄が生前に借金をしていたのです。その借金が芳彦の肩にかかってきます。兄が生きている時にも、兄の借金を返していたのです。その時に、ずいぶん酷い仕事もしていました。

兄の借金のことを岩田に知られたくない芳彦は、昼間の仕事に加えて、夜の仕事もするようになります。すれ違う二人。生活面もですが、気持ちもだんだんと遠く離れていきます。

岩田は、そんなすれ違いの生活にどうしていいかわらかずに、芳彦の気持ちが自分から離れていってしまったのかと、一人ただもんもんと悩みます。

でも、天や周りの皆のおかげで、悩んでいるだけではだめで自分の気持ちをきちんと伝えなければといけないと思うのです。

このあたりのくだりが、涙がじんわりとにじんできてしまいます。

芳彦の兄の借金の相手に力強く立ち向かいます。そして、芳彦のことを優しく抱きしめます。あああああ、もう表情が、いいのです。優しそうで、愛おしいしそうで。

家族の愛に恵まれなかった二人が、新しい愛を育てて、幸せになってもらいたい、そう思わずにはいられない本です。

ぜひ、読んで頂きたい本です。

☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆

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『ひらひら満ちる』P38

 りーるーさんの作品は、エロい作品が多いのですが、『ひらひら満ちる』も例外ではありません。めちゃくちゃエロいです。

もともと画風自体がエロいと思うのですが、身体の肉付きの形とか表情とか、ただ立っているだけで色気を感じる絵だと思っています。

そして、二人のHシーンもかなり多くて、それもエロ~い!!
Hの様子もそうですが、擬音や表情もいいのです。

☆☆☆読んでみた感想は?☆☆☆

りーるーさんは、もともとあまり知られた作家さんではないと思うのですが、最近は作品が結構出版されているようです。

以前は、少年と大人というようなカップルの作品などもありましたが、最近では大人の男同士の話が多いですね。

りーるーさんの作品を読んだことのない人は、ぜひとも読んで頂きたい作品です。