BLという夢と妄想の世界へようこそ~読んだ本の話(ネタバレあり)~

BLをこよなく愛する腐女おばさんのブログです。

「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」読んでみました。

「窮鼠はチーズの夢を見る」と「俎上の鯉は二度跳ねる」

f:id:okiraku_33:20200918204315j:plain

「窮鼠はチーズの夢を見る」より

f:id:okiraku_33:20200918204442j:plain

「俎上の鯉は二度跳ねる」より

水城せとなさんの「窮鼠はチーズの夢を見る」と「俎上の鯉は二度跳ねる」を久しぶりに読んでみました。

この本を読んだのは、もう十年近く前になると思います。

その頃からBLを毎日のように読んでいて、その頃に読んだ本です。本棚の奥の方にしまってあったのを引っ張り出して読み返したのは、そうです。映画です。

このお話、映画になって、先週から映画館で上演されています。まぁ、せっかくだから見に行こうか、ということになって、映画を見る前におさらいということで、久しぶりに2冊を読み返してみました。

f:id:okiraku_33:20200918205123j:plain

「窮鼠はチーズの夢を見る」より

この2冊、普通のBLと比べて、女性が出てくる率が多くてですね。最初にこの本を読んだ時にそれが嫌で、読み返したりしたくなかったのです。

というのも、主人公の一人、恭一はノンケで、女性にもてます。

そんな恭一のことが大学時代から好きだった後輩の今ヶ瀬との恋のお話です。

大学を卒業して恭一は普通に結婚しているのですが、恭一の妻が恭一の浮気調査を探偵の今ヶ瀬に頼むことから、二人の関係は動きだします。

ゲイの今ヶ瀬は大学時代から恭一のことが好きだったのですが、見ているだけで何もできずに、お互いの世界の中で生活をしていきます。

恭一は、後輩の今ヶ瀬のことなど思い出すこともなく、結婚をして流されるように浮気を繰り返しています。今ヶ瀬に言わせれば「ながされ侍」です。

今ヶ瀬ももう恭一と会うこともないと適当に彼氏を作ったりして、恭一のことも過去の片思いとして徐々に忘れていくというときに二人は再会します。

今ヶ瀬としては、せっかく再開したので、このチャンスをということで、恭一に告白してどんどんとせめて行きます。

無理やり迫って、恭一を関係を持ちますが、この二人なかなか上手くいきません。

上手くいきそうでいかない。

f:id:okiraku_33:20200918210321j:plain

「俎上の鯉は二度跳ねる」より

今ヶ瀬は、恭一と関係があってもいつかは、恭一が自分から離れて女性の元へ行ってしまうと思っています。

実際に、恭一もながされ侍なので、女性から迫られれば、その女性の方へふらふらと行ってしまいます。しかし、そんな恭一も今ヶ瀬と付き合ううちの徐々に今ヶ瀬への想いを膨らませていきます。

それでも恭一のことが信じられない今ヶ瀬。

恭一に捨てられるのがつらいから、自分から別れを切り出す今ヶ瀬。

最初にこの本を読んだ時に、今ヶ瀬の一途な気持ちが痛くてかわいそうで、ふらふらして女性に走る恭一が嫌で仕方がなく、その後、読む気になれませんでした。

今回、読み返してみると、その反対の印象を受けました。

一見、恭一が今ヶ瀬を弄んでいるように見えて、いつだって恭一は誠実で、その恭一の気持ちを信じることができずに、自分から別れを切り出す今ヶ瀬。

自分から別れを告げながら、やっぱり別れたくないとか、恭一を翻弄します。

恭一は、今ヶ瀬から別れを告げられて、別れることに同意するのですが、心の中で今ヶ瀬の幸せを願っています。

もう、泣けてきちゃいました。ノンケの恭一は男と付き合うことに葛藤があるわけで、女性と付き合う方が楽なのです。それでも今ヶ瀬と付き合っていたのに、今ヶ瀬は自分勝手な思い込みから恭一と別れを選らび、恭一もそれならと別れを受け入れます。

それでも、静かに今ヶ瀬の幸せを願っているのです。

今ヶ瀬のことを忘れて、他の女性との結婚を考えようとしていた時に、またもや今ヶ瀬は恭一の前に現れます。今度は、愛人でいいからそばに置いてほしい、と。

今ヶ瀬君、君は一体何なのでしょか?そこまで恭一のことを翻弄しますか。

ある意味、今ヶ瀬、怖いです。こんな男につかまってしまったら別れることなんかできないでしょう。きっと、この二人はいつも別れる別れないを繰り返していくのでしょう。でも、今ヶ瀬の執念深さと恭一の心の深さで、なんとかやっていくのでしょうね。

お幸せに。

映画も楽しみです。

不幸か不幸じゃないかなんて、他人が決めることじゃやない。自分で決めるんだよ…。

f:id:okiraku_33:20200810102747j:plain

『雪解けの恋』表紙より

『雪解けの恋』

itz/著、三交社/発行

☆☆☆読んでみました☆☆☆

itzさんの作品、初読みです。ところで、お名前、なんと読むのですか?

昭和の人間にはちょっと難しいのですが…。繊細な絵で、綺麗な表紙に惹かれて購入しました。教師と生徒の話は、BLでは、あるあるのお話です。

さて、どんな話でしょうか?読んでみました。

☆☆☆どんな話なのかしら?☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200810102834j:plain

『雪解けの恋』より引用。

澄人は花見に公園に行ったのですが、季節遅れの雪が降ってきます。花見は無理だなと思いつつ記念に雪の中の桜の写真を撮っていると、公園のベンチに座っている男の人に気が付きます。

その男の人が涙を流していたのです。澄人は大人の男の涙にビックリして、その光景が目に焼き付いてしまったのですが、後日、その男性と再会します。澄人の通う学校の現国の教師の染谷だったのです。

雪の中の光景が忘れられない澄人は、染谷に懐くようになり、二人の他は誰もいない放課後の部室で染谷と一緒に過ごすようになります。

染谷と一緒に過ごすうちに、澄人はだんだんと染谷に惹かれていくようになります。

若さゆえ、後先も考えずに自分の気持ちをぶつけてくる澄人。それに比べて、男が男を好きになるということに辛い想いをしてきた染谷は、澄人のこれからの事を考えると素直に澄人の気持ちに応えることができません。

染谷も、いつの間にか澄人のことに惹かれていっていたのです。実は染谷は、高校の時に男の同級生と少し付きっていたことがあったのです。その時に皆に知られることが怖くて二人の仲はすぐに壊れてしまったのです。その時に染谷はとても辛い思いをしていて、だからこそ、澄人が不幸になる前に、自分のことを諦めさせようとするのです。

大雪の中、誰もいない学校で、雪に戯れる二人。染谷は、世の中に二人きりならいいな、とつぶやくのです。二人きりなら誰も不幸になりようがないからです。なんともネガティブな考えですが、男を好きになることに辛さしかなかった染谷だからこそ、そう考えてしまうのでしょう。

自分のことを拒否する染谷に、最後までぶつかっていく澄人。そんな澄人に最後に心を開く染谷なのですが、その時に澄人に言います。

自分が澄人を不幸にしてしまうことが怖い。普通の幸せに気が付いた時に自分から離れいってしまうことが辛い、と。

それに対して、自分が不幸なのは先生のいない世界だと澄人は言い切るのです。ああ、高校生なのに、なんて素晴らしいことを言うのでしょう。

そうですよね。自分自身が不幸か不幸じゃないかって、他人が決めることではないですよね。自分がそれで幸せなら、周りなんて気にしないで、幸せになってと、染谷の背中をそっと押したくなりました。

っていうか私が押さなくても、澄人に押されてしまった染谷でした。ネガティブ思考の染谷ですが、10も年下の生徒に教えてもらえて幸せになってほしいと切に願ってしまいました。

☆☆☆エロ度はどうなのかしら☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200810102908j:plain

『雪解けの恋』より引用。

違う意味ですごい。最近の作品はエロありきの作品が多いのだが、『雪解けの恋』はなんとHシーンがない。それを匂わせるシーンはあるのだが、そのものズバリというシーンがない。内容だけで読ませる作品なのだろう。しっかりとした内容なので、確かにHシーンはなくてもいいかもしれない。Hシーンが好きな人にはもの足りないかもしれないかも。

☆☆☆読んでみた感想は☆☆☆

itzさんは初読みでしたが、実力のある作家さんですね。

綺麗で、繊細な線で丁寧に描いている画も好感が持てますし、ストーリーもとても考えられています。

先生と生徒というシチュエーションは、BL界の中では王道の話なので、本当に多い話ですよね。その誰もが描いているシチュエーションで描くというのは、難しと思います。どこかで読んだことがあるような、みたいになってしまうのですが、『雪解けの恋』は、よくある話になっていません。

心に染みてくる言葉も多く、短い話ですが、とても濃い内容で、読み応えのある作品でした。大人の方にぜひ読んで頂きたい作品です。

子供の僕だって、いつか大人になるんだから待っててよ。

f:id:okiraku_33:20200806220034j:plain

『home』表紙より

『home』

つるきゆきこ/著

☆☆☆読んでみました☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200806220218j:plain

『home』より引用

つるきゆきこさんの作品を読ませてもらったので、もう一つ読んでみました。可愛い少年のイラストに惹かれて購入しました。少年の表情がすごく可愛くていいのですよね~。

☆☆☆どんな話なのかしら?☆☆☆

この絵の方が、中村明日美子さんの絵に似ていますよね。

主人公の辰巳は若くして小説家になり、一軒家で一人、小説を書いています。その家に紛れこんできたのが、小学生の澄晴(すばる)です。引っ越してたばかりで、近所を探索していた時に辰巳の家に、偶然やってきたのです。嫌がる辰巳のことなど構わずに、子供のずうずうしさで、毎日辰巳の家にやってくるようになります。

人嫌いの辰巳ではあるけれど、子供をそんなに邪見にもできずにいると、毎日やってくる澄晴とだんだんと仲良くなってきます。どんどん気持ちが近くなっていている時に、澄晴が両親の都合で外国に行くことになります。

そこから離れ離れになってしまう二人です。澄晴が返ってくるまで10年間、長いですね。それなのに辰巳は、澄晴が帰ってくるまでしっかり待っているのです。なんでしょう、ちょっと執着、みたいな。

そう、執着とか嫉妬とか、そんな感情が多くて、読んでいてちょっときつい気もしますね。話自体も少し無理があるような気もするし。

もう一つ作品が入っているのでですが、こちらの方もまた執着がすごくて。表題作以上に怖い作品になっています。

話の怖さとかも中村明日美子さんに傾倒しているのかしら?もう少し、普通の話が読んでみたいですね。

☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200806220244j:plain

『home』より引用

赤面したところなどが、なかなか色っぽいのですが、最近のエロエロの漫画に比べるとエロどはいまいちかれません。

home (ビーボーイコミックスDX)

home (ビーボーイコミックスDX)

 

 

 

俺を、汚れている俺を見ないでくれ!お前だけには見られたくないんだ!

f:id:okiraku_33:20200805090950j:plain

エロティクスインサイド』表紙より

エロティクスインサイド

つゆきゆるこ/著、竹書房/出版

☆☆☆読んでみました☆☆☆

個性的な表紙ですね。思わず手に取ってしまいました。絵が、なんとなく中村明日美子さんの絵に似ているような似ていないような。話も個性的かもしれません。

☆☆☆どんなお話なのかしら?☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200805091104j:plain

『エロテックス・インサイド』より引用

上影森は、いつもニコニコして誰にでも優しい優等生です。そんな上影森のことを胡散臭い奴と思っているのは、髪の毛をそめたヤンキーの唐竹なのですが、この唐竹が、屋上でタバコを吸っている上影森を目撃してしまうのです。

唐竹君に煙草を吸っているのを見られた上影森は、チェッと舌打ちをして、普段他の人には見せないような悪態をつきます。

唐竹としては、今までの胡散臭い上影森よりも悪態をつく方が人間味があって、興味深く感じます。そして唐竹は見た目ヤンキーなのに根は真面目なので、上影森に煙草は止めなよ、と注意してくるのです。

そんな唐竹に近寄るなと声を荒げる上影森です。しかし上影森に興味を持った唐竹は、上影森に「トモダチになろう」と言って、上影森に益々近づいてきます。それが鬱陶しい上影森は、自分の家へ呼んで、ジュースにお酒を混ぜたのを唐竹に飲ませて、酔ったろころにいたずらをします。もう自分に近づいてこないように。

それなのに…、それにも関わらず唐竹は、上影森にお弁当を作っていたたりと仲良くしようとするのです。そんな毎日が続くと、上影森も前のようなバリアを張ることもなく、唐竹のことに好意を持つようになってきます。

しかし、そんな中、静かに暗い影が忍び寄ってきます。上影森は中学時代、虐められていました。いじめっ子のリーダーに犯されて、その時の動画を撮られていたのでした。そのいじめはリーダーが父親の転勤に伴って外国に行ったことにより終わりを告げたのですが、上影森は今でもその時のことを夢に見ます。

その時のことがあるら、唐竹に好意を持ち始めても、心から唐竹に打ち解けることができないのです。そして、なんの運命でしょうか。いじめっ子のリーダーの道生が外国から帰国して、上影森の高校へ転校してくるのです。

上影森は動画を唐竹に見せるぞと道生に脅されて、唐竹と仲良くすることを止められます。それでも自分の気持ちを止められない唐竹は、道生と対決するのです。その時に、上影森の動画を見せられまが、唐竹は動揺している上影森を強く抱きしめます。

このあたり、いいんですよね。抱きしめることによって、気持ちが強くなっていく。そして自分の本当の気持ちを自覚していく…という感じですかね。

愛は人を強くします。上影森は唐竹のことを好きになったことによって、人間的に強くなっていきます。道生に今までのように脅されても、屈しない精神力ができました。

道生は上影森を変えてしまった唐竹のことが憎くてたまりません。唐竹さえいなくなればと唐竹に攻撃をしようとします。しかし、攻撃の寸前にいつも邪魔が入ります。それが唐竹の幼馴染の和ケ原です。なにげにこの二人の掛け合いが面白くて、どうなるんだろうと思っていたら…。

上影森と唐竹は収まるところに収まったので、今度は道生と和ケ原の二人の話しが読みたいな、と思ってしまいました。脇キャラの道生と和ケ原ですが、何気にこの二人の話の方が面白かったりしました。

和ケ原にドロドロに甘やかされる道生が見たいと思っているのは私だけないはずだと思っています。

☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200805091152j:plain

『エロテックス・インサイド』より引用

Hシーンはそんなに多くはないですが、身体の線とかがなかなかエロチックですね。

題名にも「エロティックス」と入っていますが、う~ん、題名から期待すると、少し期待外れかもしれません。それほどHシーンが多くないような。でも、適度なHシーンとも言えますね。Hシーンばかり多くて内容がない作品も多いですが、この作品はきちんと内容もあってのHシーンなので、なかなか良いのではないでしょうか。

脇キャラに思い入れのある私ですが、Hも主人公二人のものよりも、道生と和ケ原のHがなかなかでした。

☆☆☆よんでみた感想は?☆☆☆

内容もHもなかなか満足する作品でした。ただ、前半の全体に漂う何かあるな、という暗い内容が少し重たく感じました。

私があまり暗いとか重い内容のものが苦手なので、上影森の過去のあたりなどが、少し辛かったですね。上影森自身辛い過去なのですが、その辛さが唐竹によって癒されていくことを切に願っています。

 

もう我慢することないんだよ。俺が抱いてやるよ。

f:id:okiraku_33:20200803224017j:plain

『こっちむいて、愛』表紙より

『こっちむいて、愛』

みちのくアタミ/著、ふゅーじょはんぷろだくと/発行

☆☆☆読んでみました☆☆☆ 

f:id:okiraku_33:20200803224055j:plain

『こっちむいて、愛』口絵より

表紙が淡い色合いで、こっちを向いた主人公の瞳に涙がたまっています~。この表情だけで、心臓をドキューンとされてしまいました。この表紙を見ただけで、もう買うしかないでしょう。みちのくアタミさんの初の連載作品のようです。

今、みちのくアタミさん、人気ですよね。絵が上手いし、話も面白いしということでしょう。この『こっちむいて、愛』も切なくて、胸が痛くなって、いいお話です。

☆☆☆どんなお話なのかしら?☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200803224132j:plain

『こっちむいて、愛』より引用。

鈴原の住むアパートは家賃が安い代わりにボロくて、なんといっても壁が薄くて、隣のHの声が筒抜けです。今日も、あんあんとあまりにも煩いので、壁をドンドンしたら、その後に鈴原の部屋にやってきたのは、上半身裸のイケメンです。

このイケメンが隣で女をあんあんと鳴かせていた西野なわけですが、この時に初めて二人は言葉を交わし、二人の関係は大きく変わっていくのです。

鈴原は実はゲイで、同じ大学の同級生に片思いをしていました。同級生は彼女がいて、お金がないから、鈴原の部屋でHをさせてくれ、などと信じられない頼みごとをするのです。普通、こんな頼みごとするのかしら?同級生のあまりにも配慮のない頼みごとに、昭和生まれの私は、イラっとしっぱなし。

でも、昭和生まれじゃない西野も、それを聞いてイラっとしていたので、イラっとするのは私だけではなかったのです。っていうか、普通は鈴原は断らないと駄目でしょう。

でも断れない鈴原が、切ないのです。

自分がゲイということで、今まで自分の気持ちや思いを押し殺して生きてきたわけで、同級生の申し出を断れないのも、自分の感情を隠して我慢することに慣れているからでしょう。

でも、自分の部屋で好きな男が彼女とHをしているということが、辛くて耐えられなくて、勢いで西野に抱いてもらうのです。西野はイケメンというこもあり、女を切らしたこともない「ヤリチン」ノンケですが、鈴原を抱いてしまいます。

Hの時の鈴原は、涙目になりながら鳴き続けて、エロいんですよね。西野もそんな鈴原にドキドキしてしまいます。

ノンケでヤリチンのくせして、その後も鈴原にちょっかいを出してくる西野が不思議でならなかった鈴原。それに対して西野は、鈴原に告白をします。なんと、鈴原が西野のことが好きなのではなく、西野が鈴原のことを好きだったのです。

えええ、そうなんだと思いつつ、実は西野は二人が最初に会話をする前から鈴原のことが気になっていたようでした。西野に告白されても、鈴原は同級生のことが好きだし、今まで自分の気持ちを押させこんで生きてきたせいで、どうしたらいいかわりません。つい意地を張ってしまったのですが、それによって西野は鈴原から離れていってしまうのです。

鈴原はそこで初めて気が付くのです。自分の気持ちに素直になることを。そして、きちんと言葉にしなくてはならないことを…。

☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200803224207j:plain

『こっちむいて、愛』より引用。

かなりエロいですよ。とにかくエロい。Hのページ数も多いのだけど、具体的な表現が多く、エロいのが好きな方は堪らないでしょうね。

最初から電子書籍で発行されたものって、修正部分が大きくて、Hシーンが多くて、肝心の部分が修正で消されていて、何が何だかわからないという作品も多いのですが、『こっちむいて、愛』は雑誌に連載されていたせいか、修正が小さいのです。

だから、これ修正になっていないでしょう!というようなモロ見えのシーンもかなりあります。表題作の他の短編なんか、2/3がHシーンですから、恐れいります。

☆☆☆読んでみた感想は?☆☆☆

主人公の鈴原と西野は、二人ともイケメンで、みちのくアタミさんの絵が上手いので、カッコいいのです。鈴原は泣き虫で、すぐ赤くなるし、可愛くて、でもゲイであることに引け目を感じているところなどが切なくなります。

西野はイケメンで、軽薄そうに見えるけど、実は本当に好きな人には誠実な男でした。

二人の恋が上手くいって、書下ろしには二人の後日談があり、二人の甘々の日々が描かれていて、ついついニンマリしてしまいます。

お話もいいし、エロも盛り沢山で、BLファンであれば、必読の作品だと思います。

こっちむいて、愛 (BABYコミックス)

こっちむいて、愛 (BABYコミックス)

 

 

 

男の子だって、お姫様だっこをされたら、ドキドキしちゃうよね。

f:id:okiraku_33:20200802222945j:plain

『お姫様だっこの後遺症』表紙より

『お姫様だっこの後遺症』

高峰顕/著、リブレ出版/発行

☆☆☆読んでみました☆☆☆

高峰顕さん、好きな作家さんです。高峰顕さんは、漫画の作品よりもBL小説の挿絵でお目にかかることが多い作家さんです。もっと漫画の作品を読みたい作家さんですね。

『お姫様だっこの後遺症』も本屋さんで見つけて、即買いした作品です。もうずっと前に購入した本ですが、何回読んでも、飽きることのない作品です。

表紙で、攻めが受けをお姫様だっこしていて、それだけで「萌え~」となってしまいます。

☆☆☆どんなお話なのかしら?☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200802223029j:plain

『お姫様だっこの後遺症』カラーページより

高校生の尚人は、友人たちから「姫」と呼ばれています。苗字は西築栗なので、名前に「姫」が付くわけではありません。それなのに何故、「姫」と言われているかといえば、訳があります。

朝、気分が悪くて校舎に入ったところで、倒れてしまった尚人のことをお姫様だっこをして保健室に運んだ人がいたのです。それが、養護教員の北条です。このお姫様だっこを大勢の生徒に目撃されていて、それが故に「姫」と呼ばれるようになったのでした。

背が高く、きりりとしたイケメンでがっちりした北条は、軽々と尚人のことを姫だっこをしたというこであれば、評判になるのも当然でしょうね。

そんなことがあり、普通の生徒よりも北条と距離が近くなってきます。しかし尚人は、男の自分が「姫」と呼ばれることに不本意であり、それもこれも北条のせいだと思っていて、どうしても北条に反発的な態度をとってしまいます。

北条は、そんな尚人の気持ちなど判ることもなく、何かというとちょっかいをかけてきます。尚人は北条のそんなちょっかいが、最初のころは嫌で仕方なかったのですが、だんだんと北条のことが気になってくるのです。その上、ひょんなことから北条にファーストキスも奪われてしまいます。尚人も可愛いくてイケメンなのに、ファーストキスまだったのね?それにしては、ファーストキスで舌を絡ませて、なんとも濃いものでしたが…。

キス、それもこ~いキスなんてされてしまえば、以前よりも北条のことが気になって仕方がありません。それなのに北条は、他の綺麗な女の人と親しそうにしているし、北条からは「子供に興味はないし」と言われてしまうし。尚人は頭がごちゃごちゃになってきて、初めての恋にどうしたらいいのかわからなくなってしまうのです。

尚人が、純情可憐で、本当に可愛いのです。すぐ顔が赤くなるし、すぐ焦ってしまうところとか…。これじゃぁ、北条が尚人のことを可愛い!と思ってしまうのも納得してしまいます。

高峰顕さんの描く主人公って、本当に素敵なんですよね。もう、萌え萌え!!です!!

☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆

f:id:okiraku_33:20200802223115j:plain

『お姫様だっこの後遺症』より引用

Hシーンは、裸で抱き合うとかはありません。服を着たまま、北条が尚人のことを扱いてイカせてあげる、みたいな。そのものズバリのHシーンがないのに、エロいんですよ~。キスとか、イカせている時の尚人の顔が、めちゃくちゃエロいんですよね。もうその顔を見ただけで、ドキドキしちゃいます。絵が上手いと、キスだけでもエロです。

エロ好きな方も満足していただけると思いますよ~。

☆☆☆読んでみた感想は☆☆☆

やっぱり、高峰顕さんの作品はいいですね~。攻めがかっこよくて、受けが可愛くて、キスだけでエロい。お姫様だっこも見ているだけで眼福ですね。この作品もけっこう前の作品ですが、何度読んでも、面白いのです。

小説のイラストが多いようですが、もっと漫画も描いていただきたいと思っているのは私だけではないと思っています。

 

『イァ ハーツ/HertZ』9月号読んでみました。ネタバレはあるようなないような…。

f:id:okiraku_33:20200731235330j:plain

『イァ ハーツ/HertZ』9月号

『イァ ハーツ/HertZ』9月号が、7月31日発売だったので購入しました。

大人気のヨネダコウさんの『囀る鳥は羽ばたかない』の41話など、人気の作品がいろいろと載っています。

表紙の稲荷家房之介さんですが、この方の『百日の薔薇』も載っていました。

この『百日の薔薇』って、ずっと前に稲荷家さんが描いていた作品の続編ですか?

稲荷家さんの昔の絵は、もっと荒々しい感じがしましたが、今もそういうところもありますが、もっと女性的になったような気がします。

それにしても懐かしい漫画に再会できて、ちょっと感動しています。

 

とりあえず、今日はこのへんで。

明日、また他の漫画の感想やネタバレ…を書いていきたいと思います。