BLという夢と妄想の世界へようこそ~読んだ本の話(ネタバレあり)~

BLをこよなく愛する腐女おばさんのブログです。

「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」読んでみました。

「窮鼠はチーズの夢を見る」と「俎上の鯉は二度跳ねる」

f:id:okiraku_33:20200918204315j:plain

「窮鼠はチーズの夢を見る」より

f:id:okiraku_33:20200918204442j:plain

「俎上の鯉は二度跳ねる」より

水城せとなさんの「窮鼠はチーズの夢を見る」と「俎上の鯉は二度跳ねる」を久しぶりに読んでみました。

この本を読んだのは、もう十年近く前になると思います。

その頃からBLを毎日のように読んでいて、その頃に読んだ本です。本棚の奥の方にしまってあったのを引っ張り出して読み返したのは、そうです。映画です。

このお話、映画になって、先週から映画館で上演されています。まぁ、せっかくだから見に行こうか、ということになって、映画を見る前におさらいということで、久しぶりに2冊を読み返してみました。

f:id:okiraku_33:20200918205123j:plain

「窮鼠はチーズの夢を見る」より

この2冊、普通のBLと比べて、女性が出てくる率が多くてですね。最初にこの本を読んだ時にそれが嫌で、読み返したりしたくなかったのです。

というのも、主人公の一人、恭一はノンケで、女性にもてます。

そんな恭一のことが大学時代から好きだった後輩の今ヶ瀬との恋のお話です。

大学を卒業して恭一は普通に結婚しているのですが、恭一の妻が恭一の浮気調査を探偵の今ヶ瀬に頼むことから、二人の関係は動きだします。

ゲイの今ヶ瀬は大学時代から恭一のことが好きだったのですが、見ているだけで何もできずに、お互いの世界の中で生活をしていきます。

恭一は、後輩の今ヶ瀬のことなど思い出すこともなく、結婚をして流されるように浮気を繰り返しています。今ヶ瀬に言わせれば「ながされ侍」です。

今ヶ瀬ももう恭一と会うこともないと適当に彼氏を作ったりして、恭一のことも過去の片思いとして徐々に忘れていくというときに二人は再会します。

今ヶ瀬としては、せっかく再開したので、このチャンスをということで、恭一に告白してどんどんとせめて行きます。

無理やり迫って、恭一を関係を持ちますが、この二人なかなか上手くいきません。

上手くいきそうでいかない。

f:id:okiraku_33:20200918210321j:plain

「俎上の鯉は二度跳ねる」より

今ヶ瀬は、恭一と関係があってもいつかは、恭一が自分から離れて女性の元へ行ってしまうと思っています。

実際に、恭一もながされ侍なので、女性から迫られれば、その女性の方へふらふらと行ってしまいます。しかし、そんな恭一も今ヶ瀬と付き合ううちの徐々に今ヶ瀬への想いを膨らませていきます。

それでも恭一のことが信じられない今ヶ瀬。

恭一に捨てられるのがつらいから、自分から別れを切り出す今ヶ瀬。

最初にこの本を読んだ時に、今ヶ瀬の一途な気持ちが痛くてかわいそうで、ふらふらして女性に走る恭一が嫌で仕方がなく、その後、読む気になれませんでした。

今回、読み返してみると、その反対の印象を受けました。

一見、恭一が今ヶ瀬を弄んでいるように見えて、いつだって恭一は誠実で、その恭一の気持ちを信じることができずに、自分から別れを切り出す今ヶ瀬。

自分から別れを告げながら、やっぱり別れたくないとか、恭一を翻弄します。

恭一は、今ヶ瀬から別れを告げられて、別れることに同意するのですが、心の中で今ヶ瀬の幸せを願っています。

もう、泣けてきちゃいました。ノンケの恭一は男と付き合うことに葛藤があるわけで、女性と付き合う方が楽なのです。それでも今ヶ瀬と付き合っていたのに、今ヶ瀬は自分勝手な思い込みから恭一と別れを選らび、恭一もそれならと別れを受け入れます。

それでも、静かに今ヶ瀬の幸せを願っているのです。

今ヶ瀬のことを忘れて、他の女性との結婚を考えようとしていた時に、またもや今ヶ瀬は恭一の前に現れます。今度は、愛人でいいからそばに置いてほしい、と。

今ヶ瀬君、君は一体何なのでしょか?そこまで恭一のことを翻弄しますか。

ある意味、今ヶ瀬、怖いです。こんな男につかまってしまったら別れることなんかできないでしょう。きっと、この二人はいつも別れる別れないを繰り返していくのでしょう。でも、今ヶ瀬の執念深さと恭一の心の深さで、なんとかやっていくのでしょうね。

お幸せに。

映画も楽しみです。