BLという夢と妄想の世界へようこそ~読んだ本の話(ネタバレあり)~

BLをこよなく愛する腐女おばさんのブログです。

一緒に住んでいるだけで良かったのに…その先も欲しくなるよね。

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『彼のいる生活』表紙

『彼のいる生活 』

宮田トヲル/著、リブレ出版/発行

☆☆☆読んでみました☆☆☆

可愛い表紙に惹かれて購入しました。表紙の二人の笑顔がとても素敵ですね。

中身も二人の笑顔が満載でした。清潔感溢れる画風で、なかなか読み応えのある作品でした。

☆☆☆どんな話なのかしら?☆☆☆

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『彼のいる生活』より引用

夏川涼と田中一仁は幼馴染で、この春から同じ大学に通うことになってます。お互いが一人暮らしをするつもりだったのですが、両方の母親の陰謀で、家賃も安くなるし、二人の方が安心だからという理由で、本人の知らないうちに、二人で一緒にルームシェアをすることになってしまいました。

二人は幼馴染といっても、中学はずっと別のクラスだし高校は別々だったこともあって、ここ最近はあまり親しくしていませんでした。二人で暮らすことに、涼はなんとなく気恥ずかしい気もありましたが、一仁が笑顔いっぱいで接してくるので、涼も最初のわだかまりも消えていきます。

一仁は元高校球児で、爽やかでイケメンです。モテモテに違いないと思っていた涼は、実は一仁は彼女と長続きしないと聞き、デートの練習台になったりします。そうやってだんだん距離が近くなっていくうちに、ふともらす一仁の言葉の端々にもしかしたら一仁の好きな奴って、俺じゃないかと思うようになります。

涼は自分の思い違いであり、一仁が自分を好きなはずはなと思いますが、ある時、一仁に涼が好きだが、答えは急いでいない、と告白されます。その後もいつも通りの一仁で、涼だけがどうしていいのかわからずに、ドキドキしてしまいます。

一仁は涼の前では、いつも笑顔なのです。そして、涼を好きだという気持ちがぶれない。多分、男が男を好きということで沢山悩んだと思うのですが、それをふっきって何もかも捨てても涼が好きという一途な思いが溢れています。

涼は、今まで考えたこともなかったことですが、それでも一仁の気持ちに応えようとすると、それで本当に一仁が幸せになれるのか、悩んでしまいます。そんな悩んでいる涼を見て、自分の気持ちを押し付けたことを後悔する一仁です。

そんな時、一仁が急用で一週間、部屋を留守にすることになりました。一人になった涼は寂しくて寂しくて仕方がありません。やっぱり自分も一仁のことが好きなのではないかと思うも、ぐるぐると悩んで、どうしていいかわかりません。

涼は、どうしていいのかわからずに、一仁の友人に相談するのです。すると、ふわりとした今風の大学生のくせして、涼にいいアドバイスをするのですよ。これが~。

そのアドバイスで、涼はいろいろなことが吹っ切れて、一仁と真剣に向き合うことにするのですが…。

☆☆☆エロ度はどうなのかしら?☆☆☆

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『彼のいる生活』より引用

エロ度は低いです。健康的というか健全です。Hの時の二人の表情が初々しくて、読んでまぶしいくらいです。ああ、でも、攻めの一仁が涼にべたぼれで「あまあま」なので、そのうちに濃厚なHをするんだな、という予想はあります。今度は、そんな二人の濃厚なHを見てみたいものです。

☆☆☆読んでみた感想は?☆☆☆

全体的に爽やか感が漂いっぱなしです。悩むのだけど、その悩みがへんな方向に向かっていないのです。一仁が合コンで、好きな人がいるからと言うと、その人にやきもちを焼かせるために他の子と遊びなよーと気楽に言われます。すると、一仁は好きな人を困らせたり、わざとやきもちを焼かせたりしたくないと、爽やかに笑うのです。

いや~、このシーンを読んだ時、負けたと思いました。(何に負けたのか自分でもわかりませんが)

ぐずぐず悩んで、ドロドロになってしまうBLが多い中、貴重な作品だと思います。自分の心が薄汚れてきたな、と思った時などにいいようです。